前受金に支えられてきた特殊な業界で、今何が起きているのか。
資金繰り管理だけでは足りない時代に入りました。
倒産増加・ナフサショック・施主への影響——3つの異変と、今すぐやるべき対策。
「B to C」「前受金」の業界の中でも、住宅工務店の資金構造は実は特殊です。お施主様からの工事前受金で資金繰りができてしまう業界——つまり、「先行してもらっている」のに「資金危機」に陥るのは、赤に近い黄色信号です。
万一があると、地域の一般消費者を巻き込みます。役員は家族ごと引っ越さなくてはならなくなった事例を散見しますし、従業員はそこまでではないものの「怖くて(迷惑をかけた)施主がいそうな所には近寄れない」気持ちになるといった、心に大きな傷を負います。
資金が枯渇しかけた時に打つ手が少なくなるのはどの業界でも同じですが、前受金への依存体質が著しい工務店には、打てる手は銀行の案件紐付け短期資金くらいしかなくなります。これに手をつけると経営がひどく不安定になっていきます。
工務店の半数以上で見る資金繰り表のサンプルです。あなたの工務店ではどんな表を使っていますか?
いわゆる日繰り表と呼ばれる形式で、到着した請求書を基に足し算・引き算した数字が根拠になっています。その月の分=1ヶ月分しか作れていない工務店が実は多いのです。それでは工務店経営には足りません。私は90日程度の日繰り表を用意することを強く推奨します。
そして資金繰り表(月繰り表)についてです。
2025年のいわゆる「4号特例の縮小」で、「契約から着工まですごく延びました」という工務店もあったと聞きます。この影響もあり、契約から竣工まで9〜10ヶ月間が標準という工務店も多いのではないでしょうか。そんな実情もあるので、工務店で作る資金繰り表は12ヶ月先まで見据えたものでなくてはならない——私は断言します。
日繰り表の他に必要な月繰り表は3種です。
「契約済みのみ」の他に、①契約をどのランクまで取ればどうなるか、②資金繰りを保つために必要な契約はいつまでにいくら必要か——この3つが揃って、工務店経営者は先手を取って経営に専念できます。
CASE STUDY 売上2億台 → 3億後半へ。その裏でやっていた12ヶ月管理とは? 実際に12ヶ月先まで管理した工務店の実例を、全ステップで公開しています →1物件あたりの受注金額が大きく、2〜3%の狂いでも——それが多数の現場で起こっていたら——年間でかなりのロスが生じます。資金繰り管理の基礎は損益管理(粗利管理)です。
工務店の現場別の粗利管理は、大きく3つの工程で「想定した粗利から狂う」が発生します。
資金繰り管理担当者は実行予算の粗利把握から途中経過(上棟時のズレ等)を随時把握し、決着粗利の予想を変えていく=資金繰りの予想を変えていくのでなければ、竣工前後で「こんなに払うはずじゃなかった」という予想外のダメージが生じます。
工務店の社長は大きく「営業出身系」と「設計・監督出身系」に分かれます。後者はあまり心配していません。問題は前者——営業出身の社長に、しばしば見られる習慣があります。
それは、積算を経由せずに客出し価格を決めることです。過去の平均値や自分の経験則をExcelに落とし込んで価格を出す——スピード感はあります。Excelを使うこと自体は悪くありません。ただし、やるなら相当緻密にやるべきです。
今は「相当緻密」では足りないかもしれない、と私は思っています。原価が見る見る間に上がるこの未曾有の状況で、「積算を経由せずに」は命取りになりかねない。丁寧に積算することが、今のこの状況では必須ではないでしょうか。
そして願わくば——「原価の上昇が読めない。工期が延びるかもしれない」という前例のない危機を、施主の理解を得ながら乗り越えてほしいと思っています。合意書の締結もその手段のひとつです。資金調達も、今動くべきです。下の対策でお伝えします。
実例動画:リスケ中の工務店が「戦える」と言われるまで
愛知県の住宅工務店。ナフサショックが追い打ちをかけた。それでも公庫担当者が前向きな言葉を出せたのは、
毎月の「先回り」した資金繰り管理があったから。約30秒の実例です。
社長のお金の右腕、お金の参謀長。
資金繰り管理を一切合切お引き受けします。
このサイトの他のページ