会社の資金繰りを機能させるための”3つの基本”!
基本@ 貴社の「あしもとの損益構造」の理解
「正しく予測できている」と言い切れる「ものさし」
資金繰り管理の基本中の基本は「会社の損益構造を理解すること」です。
金融機関に資金繰り表を提出すると「前提をもっとよく教えてくれ」と質問を受ける場面がありますが、これは言いかえると「どういう損益を想定したのか教えてくれ」と言っています。
こういう話をすると「そんなこと当たり前じゃないか!」という人が2割。
3割はわかっているような顔をするけど実務をさせるとできていない。
5割は「何を言ってるんだこの人」、という反応が返ってきてしまいます。
「当たり前やろ!」
中小企業の資金繰り現場では平気で起こります。
「支払ズレは起きるかもしれない。でも1ケ月先かあとか程度の問題で、全体像はイメージできているのだから、そのズレ(1ケ月程度)は致命傷にはならない」
「売上がズレたって、損益構造さえ理解できていたら、資金繰りがどれだけズレるかすぐ言える」
製造系の会社は社内のシステム整備が命
特に生産現場に主導権がある会社
未来の推移予測まで含めた「在庫情報」の取得とコントロール
同じ製品でも売値が全く違う
経理・財務がタイムリーにアクセスできるオンラインの製造情報
1.損益構造の理解 とても単純な具体例を基に話を進めさせて頂きます。「売上10,000 原価7,000」の会社があったとします。そうすると支払も当然7,000になります。と思われましたか?でも支払手段、サイトが異なる多数の取引をしていると こういうミスが損益を根拠にすれば、「あと50あるはずだと」不足分の経緯を調査に走り、適切な対応・予測を行えるのですが、異なる売上・仕入サイトが複雑に絡み、更に手形が絡むともって難解になる。こういう状況では正しい基本を押さえていないと大混乱を起こします。ここが要点ですが、損益構造さえ理解できていればと言い切れるし(上記例では売上が100減ったら、原価の払いも70減るから、資金残には30の影響あり、と即答できる)のです。この基本がわかるのなら、あとはそれをどうやってわかりやすく表示・運用していけるか、基本Aでお話するような技術論だけの問題です。「損益を根拠に資金繰りを考えていく」というこの訓練がされていない方は「だいたいこれくらい」「請求書がまだ来ないから来月はまだわかんないね」というセリフを仰ってしまいます。だから作る資金繰り表のサイトはせいぜい30日分が限度で、3ケ月先・6ケ月先・12ケ月先の資金繰り表を合理的に作れ命じたってうまくいくわけがありません。
製造系の会社は「損益を根拠に」の基本に加え、もう2つハードルがあります。1つは在庫情報をどれだけタイムリーにとらえるか。もう1つは生産情報がオンラインでわかるようできているか。の2つのハードルです。【在庫情報】 製造系は「材料購買」と「製品製造」と「納品時期」が大きく違うことがある、資金繰り管理ではもっともやっかいな業種です。 だと、資金繰りが厳しいっていうのに、「必要になるはずだから」と先行して多くの原材料を押さえにかかったりします(売上はまだだいぶ先だろうに)。弱い立場?の経理・財務部門が機能せず、より資金繰りが厳しくなった、という現場も多く拝見しました。 この難しい現場でどう資金繰り管理としてやっていくかは「基本A」で少しお話しますが、中小企業の現場を見ていますと経理・財務が一番管理に苦労しているのがです。 「生産現場と打ち合わせを密にしていない」とか「年に1・2回しか棚卸はしていない」という会社では正常な資金繰り管理は相当困難で、仕事のやり方を根本的に変える所から始めていくことが多いのも、製造系の会社ではよくあることです。【生産情報】 得意先によってことが甚だしいのも、他の業種と比べて資金繰り管理を難しくしている要因です。月によって大きく粗利が違うこともある、本当に難しい業界です。 在庫情報をどうやって取得するかとも絡む点ですが、整備が、資金繰り管理を合理的なものにできるかどうかの決定的要素と言っても過言ではありません。標準原価(コストテーブル)の定期的なアップデートも重要です。 こういうシステム整備・アップデートの中で実態のあしもと粗利をつかみ、資金繰り予測に反映させ、情報を更新していく、という流れがどの業種よりもこだわって・思想をもって体系を整備しなくてはなりません。
製造系の会社の資金繰り表の設計は次の3点が要点になります。@ 特に製造粗利部分について、発生(=主役)とキャッシュフロー(=発生から連動しているに過ぎない脇役)の欄を別々に設けること。A 発生した売上・原価を入金・支払月別に更にさせていく設計にすることB 「現場の生産情報に拠れば」&「この損益推移なら」という想定在庫高欄を作成すること
一番の大きなメリットは「シュミレーションが容易になること」です。 など想定が容易になります。経営者自身であれこれすることが本当に容易になります!経営者が具体的なシュミレーションができることは必ず会社経営にプラスだと断言します。
私たちが現場でお客様に提案する資金繰り表には、必ず経営者がシュミレーションを容易にできる工夫を施します。ご説明と対策協議は紙面を中心に行いますが、同時にExcelのファイルもお渡ししております。本シュミレーション欄は(販売管理費の直前)に設置するといいと思います。例を下に2つ記します。【例その1】件数を入力すると予め設定しているモデルケースにならって、入金・支払いが想定できる工夫です。【シュミレーション欄例その2】 新規候補先をご自身で「とれたらどうなる?落としたらどうなるのかな?」と入力できる欄を設置します。 もちろん最右欄(入金・支払いの合計欄の右側)にはものさしとなる「粗利」表示を設定します。おかしなシュミレーションにはならないための工夫です。
基本B 分析と報告

中小企業においては、資金繰り予測の混乱の基は取引の複雑な変化だけではないのです。
担当者のミスという要素が実は相当比重が高いのです。
そのミスを、仕組みとして、組織として封じるのが「前回と何がどう変わったのか」という分析を要求することです。次の様な分析をさせると、エラーがあれば経営者のみならず、担当者自身もは必ず矛盾点に気づきます。
まずは大きな視点(総論)で分析する
・全体(6〜12ケ月予測の中で)としてよくなったのか悪くなったのか
販売管理費系に大きな変化が起こることは少ないから、まず粗利自体がどう変化しているかを
分析するのが一番最初にやるべき分析。
・短期的(1ケ月)・中期的(3〜6ケ月)ではどうか
⇒(分析例)
来月は厳しくなったけど、月ズレだから○月には解消し、P/Lはよくなっているので
前回の6ケ月先予測より資金残は良化するetc
各論(個別現場・相手先別)を分析する
・その資金繰り、特に粗利の良化・悪化は何がもたらしたのか。
どの現場・どの得意先(新規)がそれにいくら貢献したのか。
・悪化したならばそれはどの現場・得意先なのか。どういうイレギュラーが生じたのか。
それは経営者が把握しているイレギュラーか。
・場合によっては財務・経理の予測ミスが原因なこともあるが、それは素直に認める。
そうでないと財務・経理のレベルが前進しない。
資金繰り管理の実務ではこうした分析に担当者が一番時間を費やすかもしれません。
分析報告はただの数字だけの報告にはなりません。多くの場合、経営の重要な変化の報告を伴います。「単なる事務屋では困るんだ。経営視点をもって欲しい」とあなたが望んでいる財務・経理担当者のスキルアップが顕著
そしてお気づきの通り、会社経営にとって有用なことはもちろんですが、になります。